実用新案について
技術的アイデアについては、高度な技術ではないが、例えば、「創作の斬新さ」があったり、「実用的な利便性」があるとお思いになる場合は、「小発明」として「実用新案」で登録すべきと私は考えます。
王子ネピア(株)の「タタミジョーズ®️」の登録実用新案(第1699106号:1987年登録)はこういった「小発明」の典型的な一例だと思います。なお、本実用新案の出願当時は実体審査を経て登録されるという制度上の、現状との相違はありました。
この実用新案は、ティッシュボックスの側面にミシン目をつけるだけの形状・構造の「創作の斬新さ」があり、ティッシュボックスをつぶすのに、ミシン目半円部分に指を入れ、引っ張るだけといったユーザーにとっての「実用的な利便性」があると思います。
本権利は、1997年に権利期間満了により権利消滅していますが、本権利が消滅した後、一斉に他社が類似の構造を採用し現在に至っています。
これは正に、本実用新案にユーザーにとっての「実用的な利便性」があるからに他ならないと言えます。
よってこの様な「小発明」は、特許としては登録できない可能がありますが、実用新案として登録する価値があるものと私は考えます。
(その他の、特許と実用新案の違いについては別途のコラムで述べます)